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IHカレー20食の軌跡

2018年07月28日
デザイナーズ飯まかないオバチャンも
おかげさまで7年目の夏、本番真っ盛り
連日酷暑&野菜高騰のWピンチの中、悪戦苦闘しています。

2年目くらいのある日、社長様から
「毎週、スパイスを使ったヘルシーなカレーを出して欲しい」と
スパイス代なるものを託されました。

ワタシは幼少の頃、病弱で食が細く&裕福ではなかったため
実家を出るまで、ほとんど外食したことがなく
味覚はかなり保守的なほうだろうと自覚していました。

かつ、事務所のある青山は
何気にカレー激戦区…超有名店も並びます。
ワタシは辛味の耐性が無いので
おっかな過ぎて一度も入ったことは無いのですが♭
しかし意外にみなさんカレーはあまり外食しないらしく…

カレーは実は、味噌汁でいう“味噌”を作るトコロから始まります。
家庭レベルで、味噌をイチからは、なかなか作れないので
普通、味噌はスーパーで買ってきます。カレーも同じように
市販の固形ルーやカレー粉はそのために売っています。
ただ、固形ルーは、油脂や小麦粉や塩分のほうがメインです。
なんとか不要な成分を減らしたい一心で
異国の食の原点を探る旅?独りカレー研究会?が始まりました。


手始めにググりまくって…すぐ壁にぶち当たりました。
カレーは煮込むではなく
スパイスの香りがついた油で、ちゃっちゃと炒め合わせるもの。
IH(それも一口)だと、炒められる作業量は、たかがしれています。
カットトマトはザル上げして、水分を予めテフロンで煮詰めておく
玉ねぎはフープロ粉砕して、レンチン蒸してから鉄のフライパンへ
挽肉を焼いて出た油に、パウダースパイスを馴染ませる
ヨーグルトは出来れば前夜から水切り&ホエーでレーズンを戻しておく
などなどして
ベースをなるべくドライにまとめておいて、後で牛乳で伸ばす
2つのフライパンとレンジを駆使しながら
毎回あの手この手で20食作り上げています。

ワタシは、音楽も料理も
作る前の落とし込みがとても必要だと思っています。
落とし込みってなんぞやって(笑
「よっしゃこうすれば勝てる」みたいな?成功イメージ?
根拠のない確信でしょうか(笑
いや、もっと、感覚に叩き込むレベルです。
実際、譜面やレシピは参考程度にしかならず
本番試合中アテにするのは自分の勘だけ
そう、いちいち計量しない(割合だけ把握しておく)タイプです。

ただ難儀なのは
ピアノは、練習の段階でいくらでも実験出来るのですが
カレーは、いきなり試合して結果を出さなくてはいけなかったのです。
自炊程度の量や調理器具では出来ないので♭
それはもう、はじめは毎週半ベソかきながら試行錯誤していました。
イチから作ったことのある方にしかわからないであろう
「ナンジャコリャ⁈」の連発。
塩分か、何のスパイスか、足せばいいのか、ひかなくちゃならないのか
全く見当がつかないことも。
特に、辛味に関しては、
社食ですから誰もが食べられる範疇でなければ。ニンニクもNG
この2つ、カレーにとってはかなり肝なので
違う方法でカバーしなくてはいけないのは結構大変です。

そして、カレーだけでなく、料理の仕事で一番困るのは
試合前から最中は、脳内アドレナリンでドーピング状態になってしまい
食欲が全く無くなってしまうこと♭
食欲が湧かないと、味覚判断も迷子のようになってしまいます。
落ち着いてくるのは、早くて
食器を洗った後か、帰り際(終電間際)なので
その日のうちには冷静なジャッジが出来ず
拍手もらえた満足感みたいな?達成感だけを胸に
足腰ヘロヘロ&汗だくヨレヨレで終電に飛び乗ることも。
そして、少し冷凍しておいたのを、休みの日にようやく試食…
ステージ録ったものを後日確認するのと同じですね^^


今までたくさんお世話になってきた、いろんなサイト
中でも、一番大笑いし共感したのはコレ
http://hga0628.hatenablog.com/entry/2017/11/19/080733

〜そこでワタシも、今までの個人的な経験則を〜

フープロは必須。玉ねぎ、生姜、レーズン、
りんご、セロリ、カシューナッツ、ほうれん草&ニラ…etc
牛乳は普通のを推奨。低脂肪は美味しくない。
ヨーグルトは絶対、人工香料の入ってないもの。
スパイスは香り。調味料ではない。
ホールスパイスは胡麻と同じで
都度使う分だけミルで擂ると風味格別
(けど手間暇惜しいので、ほとんどパウダーで代用♭)
ターメリック・クミン・コリアンダーの3つがあれば足りる
(けど、ワタシはグリーンカルダモンが好き♪何にでも入れる^^)
ターメは早いうちに油に馴染ませる
(後足しすると口当たりが粉っぽい)
コリアンダーは最後(若干トロミ付けにもなる)
意識して足すのは、塩分より
甘味(戻しレーズンとか、ジャムとか、きび砂糖
あればハチミツやメープル)と
酸味(ポッカレモンとかりんご酢
あればライムとかプルーンとか)
ほうれん草ペーストは重曹必須。
無いと粒状止まりでベースに埋もれてしまう。
ニンニク代わりにニラやセロリなど
クセモノのニオイ系が入るとソレっぽい。
作業中に唐辛子に触れてヒリヒリしてしまったらコーヒーに手を浸す。
(シシトウ大当たりもコーヒーを口に含むと治ります)
etc.etc…


食べるだけでは、わからなかった
作り手ならではの苦悩と楽しみ、カレーの奥義にふれる喜び^^
ピアノ同様、気負わず、迷いながらも焦らず
いつのまにか
“自分の味”みたいになっていけたらいいなと思っています♪